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親指Blog

キーボードによる文字入力関連(主に親指シフト)のBlogです。過去記事には色々入ってますが気にしないでください。

ローマ字配列が愛される理由その4+まとめ+おまけ

配列 ローマ字

 ではいよいよ最大の問題、各指の打鍵数の問題に迫ろうと思う。

 

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 図の下にある両手と各指の打鍵数を見てみよう。前回も書いたとおり、左小指の打鍵数が多く右小指の打鍵数は極端に少ない。左手小指の負担の多さは否定できないところだ。

 だがそこで、ちょっと見方を変えてみる。左右小指を除くと、人差し指から薬指にかけて順番に数が少なくなっていく。これはバランスのとれた打鍵数と言えなくはないだろうか? 

 もちろんだからと言って小指の問題を無視するつもりは無い。だがこの問題はふたつに分けて考えるべきだ。ひとつは先述の「左小指の打鍵数過多の問題。もうひとつは「右小指の打鍵数過少問題である。 まずは右小指の過多の問題から考えてみよう。

 

 表を見ると右小指はPと記号系を受け持ち、打鍵中はほとんど使われることはない。394と言う数字は全打鍵数の約0.2%だ。左小指の約2万5000(12.5%)と比較するまでもなく、あまりに大差が付いている。もっと打鍵数の多いキーを割り当てるべきだと思う人も多いだろう。

 だが待って欲しい。本当に右小指はそんなにも仕事をしていないだろうか? ローマ字入力を行っていて、小指が痛くなるような経験はないだろうか?

 

 実は小指には多大な打鍵数を受け持つキーが存在がしている。ここまで言えばもうお分かりだろう。それは「ENTER」キーだ。

 同時打鍵かな入力でのモダンな配列である「飛鳥」では、Enterの打鍵数を全かなの10%と見積もっている。

ameblo.jp

   10%という数字は個人によってまちまちで一概には言えないが、それに10万字のデータを当てはめれば1万字だ。これはかな1字に2打鍵使うローマ字入力でも変わらないため、そのまま1万打鍵追加となる。

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 小指に打鍵数が追加され、右手の各指の打鍵数は前述よりさらにバランスのとれたものとなった。 その上ENTERはホームポジションから遠いため、叩くようにキーを打つ人も多い。かなキーを打たなくても、右小指にかかる負担は、左小指に勝るとも劣らないのである。

(※とは言えENTERは、薬指や中指で打つ人も多いと思う。私自身もENTERは殆ど意識せずに打っているが、なんとなく意識すると小指だったり薬指だったりする。特に読点を打った後は薬指で、短い文字や英語を打った後は小指でEnterを打つことが多い。たぶん無意識に指の負担を分散して居るのだろう。その際は小指の負担率は変わるが、これはもう完全に人に寄るのでデータとしては採用しなかった。ここでは小指や薬指にもそれなりの負担がかかっていると分かって頂ければそれでいいと考えている。)

 

 以上がQWERTY及びローマ字配列が愛される理由である。まとめると、

  • キーの位置を10個覚えれば文章の8割以上が打ててしまう速習性(理由その1)
  • 左端からアルファベットがずらっと並ぶキーの検索性(理由その2)
  • ホームポジション(C段とD段)に打つキーの殆どが並ぶ打鍵率(理由その3)
  • (左小指を除く)各指の優れた打鍵バランス(理由その4)
  • 英語と日本語を同じキーで打てる汎用性(理由その他)

 と言った利点により、ローマ字入力は人々に浸透していったと思われる。ざっくり言えば、「ローマ字入力はとにかく早く覚えられ、(左小指以外は)負担が各指にバランスよくかかる入力方式」なのだ。入力効率が直接仕事に関係する人を除き、あまりハードに文字入力しない一般人にはこれ以上無い入力方式と言える。いくら効率がよいとは言え、学習コストの高いかな入力は駆逐される十分な理由となりえたのだ。

(※付け加えるなら、文字入力が上手くいかないというのは非常にストレスが溜まる。キーボードごとPCを投げ出したくなるほどストレスが溜まる。このストレスを突破できるのは、よほどの忍耐強さを持つ人か、突破した後に待つ気持ちよさを既に知っている人か、入力マニアぐらいだろう。既にローマ字入力をマスターしている人が、改めて別の入力方法を学習しようと考える人がごく少数であることは、現在を見れば誰でも分かることだ。)

 

 

 ・・・でだ。

 

 問題は左小指だ。だがこればかりは残念だが擁護のしようがない。左小指にAをもってきたのは覚え易さの為だとは言え、もっとやりようはなかったのかとつくづく思う。なにより当初はWキーの位置にAは配置されていたようなのだ。

 タイプライターからコンピュータへ:QWERTY配列の変遷100年間(1)

 それが覚え易さを理由に(?)今の位置に変えられ、以後ほぼ100年以上そのままとなっている。前述のように左から右へ流れるようにアルファベットを並べるなら、確かにC段左端のキーから始めるのが分かり易いだろうが、せっかくD段に母音を並べたのにAだけ左端では台無しなのだが・・・。

 

 右手小指の負担がいくら多い事がわかっても、左小指の打鍵数が突出している事実には何も変わりはない。では、その負担を減らすことができれば、ローマ字入力はもっと楽に効率よく打てるようになるのではないだろうか。次回からはローマ字入力のチューンナップを考えていきたい。