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親指Blog

キーボードによる文字入力関連(主に親指シフト)のBlogです。過去記事には色々入ってますが気にしないでください。

蜂蜜小梅の個人的結論

そろそろ、蜂蜜小梅の結論を出そうと思う。

 
蜂蜜小梅は、いわゆる「親指シフト」(否NICOLA)の配列として、よくできていると思う。各指への配慮もしてあり、実に理論的で学びやすい。まさにそこに惹かれたからマスターしようとしたのだ。
 
しかし、私としては このままでは使えない。
それはなぜか。
1年以上使ってきて、根本的な思想の違いがはっきりしてきたからだ。
 
問題はやはり、蜂蜜小梅の特徴である「マトリクス」である
これが、「私には」全く覚えられない。絶望的に覚えられない。
なぜこんなにも難しいのか?
 
最大の理由はとても単純だ。
覚えるべき指使いが圧倒的に多いのである。
 

■指使いの過多

マトリクスは、元の文字によって無シフト/右シフト/左シフトを判断し、それに合わせてタイプするキーを変更する。覚える時や迷った時にキー位置を記憶から探るには、マトリクスの配置はとても理解しやすく便利だ。
 

蜂蜜マトリックスは3行×5列の格子フィルタ

蜂蜜マトリックスの正体は、左手側に設けた3行×5列の単純な格子フィルタです。行方向で子音(シフト位置)の選択、列方向で母音の選択を行い、右手側の子音候補の打鍵との掛け合わせで、定義した拗音全てを左右同時打鍵の1ストロークで入力します。

蜂蜜マトリックスは3段×5列の格子フィルタ

 
だが、文字を意識せずに打てるようになるには「どちらのシフトか」などは意識せずに打つ必要がある。意識しないで使うということは結局、ただ単に「そのかなが出る指使いを全部覚える」だけなのだ。使う分には配置理論とかは関係ないのである。
 
すると、拗音がらみの指使いを全部覚えることになるので、結局168種類の指使い全てを覚えることになる。
  •  84 文字を、基本定義となる親指キー同時シフトで配置しています(*)。このうち、「濁音」と対になる「清音」を清濁ペアとして同じキーに定義(清濁同置)しているため、84-5×4=64 の記憶負担で84文字を入力できるとまでは言いませんが、10万字サンプル での打鍵頻度わずかに1回と激レアなカナ「ぢ」も忘れにくくなっています。
  • 104 組の拗音を定義しています。

 

蜂蜜小梅がいくら効率がよくなると言っても、覚えることがNICOLA(64文字)の2.5倍あるのは、さすがに難易度が高いと言えよう。
 

マトリクスの影響

そしてこのマトリクスの弊害は、通常のキー配置にも影響を及ぼしている。
 
もともと蜂蜜小梅はマトリクスのためのかな配置である。拗音などはマトリクスで使うため、単独キーとしては使いにくい場所に配置されている。つまり、「マトリクスを使わない前提で蜂蜜小梅を使うと、使いにくい配列となっている」のである。
当たり前ではあるのだが、これは非常に困った問題である。つまり、168種類の指使いを覚えきるまでは、蜂蜜小梅を使う利点が見い出しにくいのだ。ぶっちゃければ、マトリクスを使いこなせるようになるまでは、旧来の小梅配列の方が便利に感じるのではないだろうか。
 
またマトリクスも、効率優先のため拗音(ゃゅょ)の並び順などの覚えやすさは考慮されてないように感じる。これも効率を求めるなら当然ではあるのだが、慣れるまでは50音順を頭に描いてしまうため、混乱してどのキーがどの文字だったかわからなくなるようだ。本来なら、ぁ行は人差し指で変わらないのだが、なぜか薬指が動いたり中指が動いたりするのが日常的に起こる。マトリクスで覚えなければいけない指使いが爆発的に増えたので、脳がオーバーフローしているのかもしれない。
 

ハイブリッドの意味

マトリクスの弊害はまだある。これも蜂蜜小梅の根幹に係わる問題だ。
蜂蜜小梅が謳う「ハイブリッド」とは、親指シフトと文字キー同時打鍵のハイブリッドである。しかし、このハイブリッドはもう一つの意味も含んでいる。マトリクスは、かな打ちではなく行段系なのである。
 
 さらに詳述すれば、蜂蜜小梅配列は拗音を子音と母音とに分解して入力し、
カナ(直音+捨て仮名)
カナ系/親指キー同時シフトで入力
拗音
行段系/文字キー同時シフトで入力

という、二重にハイブリッドな構造を採用しています。ただし、一部のカナは例外的に文字キー同時シフトで(も)定義しています。

 

さて、かな打ちがなぜ気持ちよく打てるかというと、考えた言葉がそのままタイピングに直結しているからだ。NICOLAの利点としてよく聞く言葉だが、逆に言えば行段系は「ローマ字に一度翻訳してからタイピングするから気持ちよくない」のである。
 
では、蜂蜜小梅のマトリクスはどうなのだろうか?
 
そしてこの問題のキモは、入力する際に思考がかな系と行段系を行き来するということだ。蜂蜜小梅は1音1ストロークを謳っているが、実際は「しゃ」を打とうとすると、脳内処理は『「しゃ」を分解すると「し」と「ゃ」だから、「し」キーと「ゃ」が出るキーを同時に押さなきゃ!』と動く。これは言わば「同時打鍵ローマ字入力」を行っていると言えるだろう。(実際には「しゃ」は「sya」だから2キーでは出ないが、音を分解するという意味で)。私の余裕無い頭では、この処理はかなりの負担となり、「気持ちよく打てない」のだ。
しかしそれも「慣れの問題だろ?」という人も多いだろう。

 

「複雑な配字ルールなんて端から覚える気がありません。」

61degc.seesaa.net

そう。その通り。慣れの問題だ。

だが、複雑な配字ルールを無理して覚える必要などない。

慣れるなら、ステノワードに慣れたほうが圧倒的に速いのだから。

 

 NICOLA創始者のお言葉

 最後に、気になる情報を見たことも関係している。 富士通親指シフト開発の際に親指シフトの生みの親である神田氏が「左右で別々の指を同時に動かすのは、親指以外は無理」と言っている記事があった。
 

http://www.ykanda.jp/txt/himitsu.jpg

 (画像右下のa,b)

http://www.ykanda.jp/txt.htm

 

 日本語ワードプロセッサーOASYSの生みの親、神田泰典氏のHP

OASYS and CAMELLIA homepage

 
まあ実際には動かないことは無いし、数種類ならそれほど負担でも無いだろうが(打鍵が気持ちいいかどうかは別にして)、通常のかなの1.5倍の指使いを持つマトリクスをフルに使うのは、私には難易度が高すぎたようだ。
 

蜂蜜小梅の改良への道

以上のことと個人的体験を元にして、私にはマトリクスは使いきれないと結論づけた。
ただ、このまま諦めてしまうと私の一年はなんだったのだという話になるので、蜂蜜小梅(実は「蜂蜜小梅」という文字列もかなり打ち辛い)配列を私として覚えやすく改良して使おうと考えている。今まで141Fさんが通ってきた道を荒らすことになるかもしれないが、私なりに少しのアイデアを追加し、私にとって使いやすい配列に生まれ変わらせたいと考えている。イデアを練って、オリジナルを作るしかないようだ。
 
また、小指が痛くなる問題も理由が掴めた。(親指で変換とかそういう問題ではないのですよ。)これは次回のエントリーに記載できたらいいなと思っている。